結論からいうと、2026年夏に実施された国の電気・ガス料金支援は、9月使用分で終了しました。
ただし、ここには少し分かりにくいポイントがあります。
9月使用分の値引きは、多くの家庭で10月の検針分に反映されます。補助がなくなる影響を実際に感じるのは、10月使用分(11月ごろの請求)からです。
しかも9月29日に発表された10月使用分の標準家庭向け料金は、大手電力10社・大手都市ガス4社のすべてで上がりました。この記事では、「結局いくら負担が増えるの?」という疑問を、公表情報をもとに整理します。
2026年夏の電気・ガス補助は9月使用分で終了
政府は物価高への対応として、2026年7月から9月使用分までの3か月間、電気・ガス料金を支援しました。家庭向け(低圧)電気の値引きは次のとおりです。
- 7月使用分:3.5円/kWh
- 8月使用分:4.5円/kWh
- 9月使用分:3.5円/kWh
都市ガスの値引きは次のとおりです。
- 7月使用分:14円/㎥
- 8月使用分:18円/㎥
- 9月使用分:14円/㎥
8月だけ支援額が大きいのは、エアコンなどで使用量が増える真夏の負担を軽くするためです。政府は、標準的な家庭で3か月あわせて5,000円程度の負担軽減を見込んでいました。なお、LPガス(プロパンガス)は対象外です。
「10月で終了」なのに10月の請求はまだ安い?
ここが最も間違えやすいところです。
支援の対象は9月使用分までです。9月に使った電気は、一般的に10月に検針されます。検針月ベースで整理すると、次のようになります。
- 9月使用分 → 10月検針分:補助あり
- 10月使用分 → 11月検針分:補助なし
つまり、「10月になった瞬間に請求額から補助が消える」わけではありません。
請求のタイミングは会社によってずれます。 たとえば、7月使用分の値引きが9月請求分から反映される電力会社もあります。ご自宅への影響がいつ出るかは、検針票や会員ページの「○月使用分」の表記で確認すると確実です。
補助がなくなると電気代はいくら増える?
最後の9月使用分では、家庭用の低圧電力に1kWhあたり3.5円の値引きが入っています。使用量ごとに計算すると、次のとおりです。
- 300kWh:300×3.5円=1,050円
- 400kWh:400×3.5円=1,400円
- 500kWh:500×3.5円=1,750円
使用量やその他の条件が変わらないと仮定すれば、この値引き額の分だけ負担が増えます。
都市ガスも補助終了
都市ガスも同じ仕組みです。9月使用分には1㎥あたり14円の値引きがありました。
- 月30㎥:30×14円=420円
- 月40㎥:40×14円=560円
電気300kWhと都市ガス30㎥の家庭なら、電気1,050円+ガス420円で、月1,470円程度の値引きがなくなる計算です。
※実際の料金は、契約プラン、燃料費調整額、使用量などによって異なります。
11月請求は「補助終了分」だけ上がるわけではない
注意したいのは、今回の値上がりが補助の終了だけによるものではない点です。
9月29日に発表された大手電力10社の10月使用分の標準家庭向け電気料金は、全10社で上昇しました。前月からの上げ幅は835円〜1,578円です。大手都市ガス4社も、435円〜744円上がります。
共同通信によると、主な要因は補助金が9月使用分で終わることです。これに加えて、中東情勢の悪化による原油・LNG価格の上昇や、送配電網の利用料である託送料金の値上がりも影響しています。
そのため、「補助が1,000円なくなるから、電気代も1,000円だけ上がる」とは限りません。
これは「値上げ」なの?
補助終了の部分は、電気の基本料金や単価そのものを上げたわけではありません。これまで国が値引きしていた金額がなくなるという仕組みです。
たとえば、本来1万円の料金から国の支援で1,200円値引きされ、8,800円を払っていたとします。補助が終われば、同じ条件でも1万円に戻ります。利用者から見れば、実質的な負担増です。
今回はそこに燃料価格や託送料金などの別の要因も加わるため、実際の請求額を確認することが大切です。
自分の家庭はいくら増える? 簡単な計算方法
最後の補助単価を使えば、影響額の目安をすぐに出せます。
- 電気:9月使用分の使用量(kWh)×3.5円
- 都市ガス:9月使用分の使用量(㎥)×14円
たとえば、電気が350kWhなら350×3.5円=1,225円です。都市ガスが25㎥なら25×14円=350円です。合計は1,575円になります。
これが、最後の補助による値引き額の目安です。11月以降の家計を考えるときの、一つの基準にしてください。
※「9月使用分」は、暦の9月ではなく、検針日を基準にした期間です。検針票に書かれた「9月使用分」の数字を使うと、より正確に計算できます。
補助終了後にやっておきたい3つのこと
① まず使用量を確認する
節約しようとして、いきなりエアコンや暖房を我慢する必要はありません。まず見たいのは「料金」より「使用量」です。電力会社のアプリや検針票で前年の同じ月と比べると、使いすぎているのか、単価が上がっているのかを判断しやすくなります。
② 家電の使い方を見直す
冷蔵庫、エアコン、照明などは長時間使うため、使い方が年間の電気代に影響します。ただし、節電のためにすぐ買い替えるのはおすすめしません。購入費まで含めて、本当に家計がプラスになるかを考えましょう。
③ 契約プランを確認する
生活スタイルが変わっているのに、何年も同じプランを使っていないでしょうか。現在の使用量に合っていない可能性があります。
ただし、「補助が終わったから乗り換えれば必ず安くなる」わけではありません。基本料金、電力量料金、燃料費調整、解約条件などを含めて比較してください。
冬の電気・ガス補助はある?
気になるのは、暖房費が増える冬です。2026年1〜3月には冬季の支援が実施されました。2人以上世帯の平均使用量を前提に、電気・ガスあわせて約7,300円の負担軽減が見込まれていました。
一方、2026年10月3日時点で、次の冬の電気・ガス料金支援が実施されると決まった公式発表は確認できていません。過去に支援があったからといって、今年の冬も必ず実施されるとは限りません。現時点では、「補助なし」を前提に家計を考えておくほうが安全です。
まとめ
- 2026年夏の電気・ガス料金支援は、9月使用分で終了しました。
- 最後の値引きは、電気が3.5円/kWh、都市ガスが14円/㎥です。
- 補助終了の影響が出るのは、多くの家庭で10月使用分(11月ごろの請求)からです。
- 10月使用分は、補助の終了に燃料価格や託送料金の上昇も重なり、大手電力10社・都市ガス4社のすべてで標準家庭向け料金が上がります。
まずは電力会社・ガス会社のアプリや検針票を開き、「自宅は毎月何kWh・何㎥使っているか」を確認してみてください。影響額が分かれば、必要以上に不安にならず、冬に向けた家計管理がしやすくなります。
※本記事は2026年10月3日時点で確認できる公表情報をもとに作成しています。実際の料金は、地域、契約会社、料金プラン、使用量、燃料費調整額などによって異なります。
図解・画像案
- 「補助はいつまで?」:「9月使用→10月検針=補助あり」「10月使用→11月検針=補助なし」をカレンダー形式で表示します。この記事で最も重要な図です。
- 「補助終了でいくら増える?」:電気300kWhなら1,050円、400kWhなら1,400円、500kWhなら1,750円と、3パターンを比較します。
- 「自宅の負担増を30秒計算」:「電気使用量×3.5円+都市ガス使用量×14円」という計算式を大きく掲載します。SNSにも転用できます。
参考にした主な情報源
- 経済産業省・資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」(値引き単価、2026年7〜9月使用分)
- 資源エネルギー庁「暖房費のかさむこの冬も、電気・ガス料金の支援を実施」(冬季の支援額)
- 共同通信「10月電気代は全社値上がり 補助金終了、ガスも上昇」(2026年9月29日)


コメント